怒涛のトランプラリーでダウ平均が最高値を更新している。
年末には大台の2万ドル台にも迫る勢いだ。

ダウ平均日足チャート。
トランプ氏が大統領に当選してからたったの数週間でアメリカの株価は9%近くも騰がり、今年7月の英国離脱騒ぎで沈んでいた相場の淀んだ雰囲気を一掃してしまった。
日経平均もアメリカの好地合いを受け、右肩上がりの大きな弧を描いている。

ドル円日足チャート。
ドル円はついに115円台に突入した。
トランプ氏が打ち出している政策は「減税」、「インフラ整備の強化」、「金融規制緩和」の3つ。
それにオバマ大統領が進めてきた医療制度の改革が加わる。
市場ではどれもポジティブな材料と受け止められている。
ウォール街のトレーダーをはじめとする機関投資家達はもともとクリントン候補を支持していた。
ウォーレン・バフェット氏もその一人だが、同氏が率いるバークシャー・ハザウェイ社はここ1ヵ月で急騰している。
結果的にトランプ大領領になって最も大きな収穫を得たのは、選挙ではトランプ氏に背を向けてきた人たちというのは皮肉なものだ。
さらにバフェット氏はアメリカン航空など米航空大手3社の株式を大量に購入しているらしい。
米国市場では「バフェット・ウォッチャー」と呼ばれる個人投資家が少なからず存在しており、バフェット氏を神のように崇拝し、同じような株を買う傾向があるという。
世界一の投資家が相場の先行きに楽観的な判断を下したなら、私たちもそれについていくというスタンスだ。
バフェット氏はバリュー株を長期間保有するスタイルで知られるが、彼が現段階で買ったということは今後さらに株価が上昇する可能性があることを示唆している。
このトランプバブルは一過性のものではなく、来年へ向けたさらなる株価上昇の起爆剤となりうると予測するアナリストも多い。
「これだけ騰がったのだからそろそろ調整の暴落が来るかも」と期待した個人投資家のショートポジションの含み損が相当積みあがっており、そのロスカットがさらに上げ相場のエネルギーと化す。
逆張り癖のある自分のようなトレーダーはとくに警戒しなければならない相場が続く。