ロスカット あの日の涙 虹となる
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トレード本の紹介

日本にはFXに関して書かれた本はたくさんある。

しかし、名著として後世にまで読み継がれるような作品はいまのところ皆無といっていい。

「FXで○○○円儲けた私の方法」とか、いかにも売らんかなといった投資家の射幸心を煽るようなタイトルも目立つ。

残念なことに、著者は本当にトレードをして収益をあげているのかと信憑性を疑うような内容の本も少なくない。

実際、こうしたトレードの本を執筆している人のなかにはFXの収益で生活しているのではなく、メインの収入は印税や講演といったケースも珍しくないのだ。

FXに関する本を読みまくって、どんでもなくトレーディングが上手くなったという話は寡黙にして知らない。

まったく本を読まないで勝てているトレーダーさんも多いし、本を読んだら勝てるというものでもない。

だが、玉石混淆あるなかで、やはりこれだけは読んでおいたほうがいいという定番というべき書籍も存在する。

ラリー・ウィリアムズの短期売買法、ピーター・リンチの株で勝つなど海外の名著と呼ばれる投資本には著者であるトレーダー本人の矜持が漲っている。

優れた投資本はトレーディングのヒントになるだけではなく、人生の指南書としても読むに値するものだと確信している。

ここでは独断と偏見で、これからFXを始めようとする皆さんにとくに勧めたい良書を厳選してリストアップしてみた。


勝ち続ける意志力 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」 (小学館101新書)勝ち続ける意志力 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」 (小学館101新書)
(2012/10/26)
梅原 大吾

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「10年に一人の天才」と称され、日本人で初めてプロ・ゲーマーになった梅原大吾氏の初の著作。

僕は格闘ゲームはやらないので、彼の本当の凄さはわからない。

だが、ゲーム業界に精通していなくても、そのオーラは行間から匂い立つように伝わってくる。

本書は辣腕トレーダーのあいだで極めて評価が高い。

それは、梅原氏の真摯なゲームへの取り組み方、考え方、上達の仕方、変化への対応がそのままトレードの現場でも応用できるからだろう。

FXとは為替相場でいかに収益をあげるか他人と競い合うゲームである。

ゲームで「勝つこと」と「勝ち続けること」は異なると彼はいう。

運よく「勝つこと」ができても、たしかな実力がないと「勝ち続けること」はできない。

「勝ち続けること」ができるのは、ただひたすら常人の域をこえて練習しつづけることができる強い意志の持ち主なのである。

試合前のインタビューで「自分では負ける要素ないと思ってるんで」と言い放てるメンタルの強さ、自信は、圧倒的な練習量に裏付けされている。

世界の頂点に立つということ、究極の成功を収めるにはじつはたったひとつのことにかかっている。

つまり、どれだけ真剣にそれを欲しているかということ。

梅原流にいえば、FXで勝てないのは、単純に勝てるようになるまで努力していないということになる。


デイトレード―マーケットで勝ち続けるための発想術デイトレード―マーケットで勝ち続けるための発想術
(2002/10)
オリバー ベレス、グレッグ カプラ 他

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言わずと知れたベストセラー。

FX、株を問わず、この本を奨めるベテラントレーダーは多い。

10年以上前に出版されたものだが、現在でも決して古さを感じさせない。

手法を真似ても、勝ち続けるトレーダーにはなれない。儲かるために何をすればいいではなく、同じ失敗を繰り返さないためにどうすればいいのか。

何をもって「上手くいった」といえるトレードなのか、心理面から考察していく。

マーケットに臨む心構えや、損切りの重要性、毎日記録をつけることなど、著者自身が自分の失敗を振り返り、トレーダーがスキルアップしていく過程で欠かさない要素、改善すべき点を羅列している。

具体的な手法には言及していないことに物足りなさを覚える人もいるかもしれないが、短期売買のセオリーが文学的な筆致で綴られており、すべてのデイトレーダーにとって必読しておくべきバイブルといってもいい良書。


ツキの法則―「賭け方」と「勝敗」の科学 (PHP新書)ツキの法則―「賭け方」と「勝敗」の科学 (PHP新書)
(1997/07)
谷岡 一郎

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著者は日本におけるギャンブル研究の第一人者として知られる。

賭け事全般において最も重要な概念である「期待値」とその「排除率」について、具体的な数値をあげながらわかりやすく解説している。

ギャンブルでずっと勝ち続けることは不可能であると書いておきながら、なおも著者がギャンブルに魅せられているところが面白い。

『ツキなどというものは存在しない。存在するのは統計上のゆらぎにすぎない』と筆者はいう。

本書で述べられている確率論、統計的事実を知るのと知らないとではトレードに関するアプローチも違ってくるだろう。

書店に山積みにされているへたな投資本よりも、何倍も役立つことうけあい。


ルービン回顧録ルービン回顧録
(2005/07/26)
ロバート・ルービン、ジェイコブ・ワイズバーグ 他

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元ゴールドマン・サックス会長で、米財務長官を歴任したロバート・ ルービンの回顧録。

あのウォーレン・バフェットも株主へ向けて推薦図書に指定している名著。

GSのトレーダー時代に裁定取引で大きく損失をだして以来、ルービンは自分の相場観をまったく当てにしなくなり、マーケットではあらゆる事柄が起こりうるということを肝に命じたという。

「世間において常識とみなされていることに対して、疑問を呈する勇気を忘れてはならない。

健全な猜疑心こそ、ものごとの裏に潜む本質を見極める近道である」。

絶えず自分の考えが間違っていないか疑ってみる。

どれだけ儲かるかではなく、まずどれだけの損失に耐えられるか。

常に最悪のケースを想定して相場を張ること。

トレーダーとして成功する最大の秘訣は、マーケットの予想をすることではなく、そのリスクを正確に見極めることだと説く。人生において確かなものは何もない。

物事はすべて確率論として見るべきで、絶対に正しいということはあり得ない。

いわゆる蓋然的思考“Probabilistic thinking”、それが彼のベースにあり、全キャリアにおいてもその哲学が貫かれている。

特筆すべきは、米財務長官として中枢ともいうべき政治的ポストについてからも、トレーダー的な裁量的判断で意思決定をしていた点である。

金融危機を準備し、シティを破綻の危機に追い込んだと批判されるルービンだが、彼が先物取引の解禁などの金融緩和策を施行しなかったら、今こうして我々がFX取引を行える環境になってなかったかもしれない。


世紀の相場師ジェシー・リバモア (海外シリーズ)世紀の相場師ジェシー・リバモア (海外シリーズ)
(2001/06)
リチャード スミッテン

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今を遡ること80年前、1928年の世界大恐慌のさなかに、漫然と空売りを仕掛け一人勝ちを収めた稀代の投資家ジェシー・リバモア。

彼の投資哲学は現代でも十分通用するばかりか、マーケットで退場を食らわないための重要なエッセンスが散りばめられている。

だが、幾多の修羅場を潜り抜け、相場のイロハを知り尽くしたにもかかわらず彼は破産してしまう。

そして、最後はピストル自殺で自分の人生に幕を下ろした。

ホテルの一室で「自分の人生は失敗だった」と書かれた遺書が悲しみを誘う。

リバモアほどの相場師がなぜ晩年になって破産に至ったのか、その詳細が明らかにされていないのが気になる。

やはり、死ぬまでこの世界で勝ち続けるのは至難の業ということか。

トレーダーとして生計を立てているのならぜひとも読んでおきたい味わい深い伝記。


賭けるゆえに我あり賭けるゆえに我あり
(2009/08/26)
森巣 博

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著者は30余年のキャリアを誇る生粋のギャンブラーであり、カジノで勝つ為のマインド、お金にまつわる感情のコントロール、その規律を守るのがいかに難しいかというギャンブルにおけるさまざまなエピソードが面白おかしく流麗な筆致で綴られている。

氏の説く、賭人の器量を決める四大要素とは、

・勝ち逃げがてきること。

・上手な負け方を学ぶこと。

・ツラが取れること。

・勝負度胸があること。

・資金管理ができること。とある。

「もしゲーム賭博で生き残るための必要な因子をひとつだけ挙げろと問われれば、迷わずにマネー・マネージメントと答える」

「博奕には必勝法や攻略法は存在しないし、もし本当にあったとしたら誰にも売らず自分で大儲けする」

これなどよくトレード本で述べられているセオリーとほとんど同じだ。

なによりも興味をそそるのは、カジノで大金を得たにもかかわらず、それをきっかけに地獄への扉をひらいてしまった人達の逸話が数多く紹介されていること。

破産した人のエピソードは悲惨でありながら、どこか滑稽で笑えてしまうところがある。

そんなカジノで負ける人々を突き放すようにバカだと切って捨てる森巣氏は残酷なまでにギャンブルの世界を知り尽くしている。


賭けの考え方 (カジノブックシリーズ)賭けの考え方 (カジノブックシリーズ)
(2011/08/12)
イアン・テイラー、マシュー・ヒルガー 他

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基本的にポーカーでいかに勝つかという内容だが、トレードに共通する部分は多いし、カジノに興味がない一般の人が読んでも十分楽しめる内容になっている。

トレードに限らず賭け事には偶有性はつきものであり、自分がどんなに正しい選択をしていても、不確実性の波によって損失がでることをがを理解すること。

つまり、短絡的な結果の良し悪しで判断しないこと。想定内のリスクとして受け入れ、一時的な感情にまどわされないこと、などゲームに挑む際の心構えが飾らない筆致で綴られている。

ポーカーやトレードを上手くプレイするために求められる問題処理能力は、ほかの人生でも生かすことができるという著者の言葉には素直に頷ける。

辛口で知られる経済評論家の山崎元さんも「週刊ダイヤモンド」の書評で、「直近数年で断然一番の推薦図書」と絶賛しているのも納得。



ヒクソン・グレイシー 無敗の法則ヒクソン・グレイシー 無敗の法則
(2010/09/25)
ヒクソン・グレイシー

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400勝無敗の格闘家ヒクソンが自伝的要素を絡めた人生観を綴った本。

格闘ファンにだけ独占させるのはもったいないくらい内容は充実している。

「自分の恐怖を理解したことで、確かに私の人生は変わった。」 恐怖というものの正体をどう見極め、どう向き合うか。恐怖は、相手の正体が判れば消える。

だから、恐怖を克服するために最も重要な方法とは、自分の恐怖がどこから生まれたのかを、しっかり理解すること。常に最悪を想定し、その状態になった時には冷静に対処できるように自分を鍛練する。

「恐怖」をコントロールすることができれば「力」になる。ヒクソン常勝の背景には、このような気づきがあった。

彼は投資家マーク・ダグラスが説くところ「ゾーン」の領域に到達したように感じる。

格闘家にとって体力や技術も大切だが、なによりもメンタル、「勝者の心構え」が大切だとヒクソンは説く。

「まず生き延びろ! 儲けるのはそれからだ!」 ジョージ・ソロス氏の有名な投資の箴言だが、本書の帯にも“大事なのは「勝つ」ことではなく絶対にまけないこと”とある。

この言葉をあえて投資家に向けるならば、“大事なのは儲けることではなく、マーケットで生き延びること”とおきかえてもいいかもしれない。

以下、ヒクソン語録。

「人生に「幸運」はない、あるのは「戦略」だけだ」

「人生で重要なのは、知ること、気づくこと、心を開いて向き合うことだ。敗北も悪い経験も、すべて強くなるための力に変えられる」

「やるべきことはをすべてやり、完璧に準備が整い、今日が勝負の日ならこう言うしかない。怖がる理由は一つもない。大事なのは力をすべて出し切ることだ。肝心なのは、立ち上がってもう一度挑戦しようとすることだ」

「意思の力は、感情とは関係なく、論理的に考えることから生まれる」

「なりたいものになれるチャンスがあるなら、少なくとも挑戦してみるべきだ。しかし残念ながら、ほとんどの人が今の自分の枠を超えようとせず、何も手放さないまま安全な場所に逃げ込んでいる」

格闘家として決して恵まれない小さい体の彼がなぜ400勝無敗だったのか、その理由がわかったような気がした。

リスクを恐れず絶えず攻撃的に挑み続けるトレーダーにとって座右の書にもなりうる現代の“五輪書”。


羽生善治の思考羽生善治の思考
(2010/11/29)
羽生 善治

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勝負師という点ではトレーダーも棋士も同じ土俵で戦っている。

本書は若くして頂点を極めて、今なお第一人者として走り続ける羽生善治棋士の発言をまとめたもの。

ページ数こそ薄いが、トレーディングのメンタルトレーニングにも通じる内容であり、心に染み入る言葉がいくつもあった。

以下、抜粋。

“いかに戦うか”は大局観にかかわるが、その具体的な戦略は事前研究が決め手になる。事前にしっかり準備して万全の態勢で対局に臨んでくる人は手強い人だ。

一番いいと思えるものを簡単に、単純に考えることができれば、逆境からの突破口を見出せる。

山ほどある情報から自分に必要な情報を得るには、「選ぶ」より「いかに捨てるか」の方が、重要なことだと思います。

考える材料が増えれば増えるほど、“これと似たようなことを前にもやって失敗してしまった”というマイナス面も大きく膨らんで自分の思考を縛ることになる。そういうマイナス面に打ち勝てる理性、自分自身をコントロールする力を同時に成長させていかないと、経験を活かし切るのは難しくなってしまう。

「プレッシャーはその人の持っている器に対してかかるものだ。器が大きければプレッシャーを感じることがないはずだ」と自分に言い聞かせています。

大事なことは、ミスをしたとしても次のプレーを考えることなんです。いつまでも「ああ、ミスしてしまった」とひきずっていると、その思いにとらわれてプレーの足が引っ張られる。時間はどんどん流れていくのだから、次の展開、その次の展開と進んでいかなければいけない。これは、よいプレーをしたときも同じで、自分のプレーに酔ってはいけないんです。よいプレーも悪いプレーも、すでに過去のプレーになっているんだから。冷静になって次のベストプレーをしていかないと駄目ですね。

勝負の世界では、「これでよし」と消極的な姿勢になることが一番怖い。常に前進を目ざさないと、そこでストップし、後退が始まってしまう。

その他にも、ツキや運にとらわれず自ら切り開いていく力、リスクのとり方、反省はしても後悔しないこと、結果がでないときこそ変化させたほうがよいことなど、さすがと唸らされることばかりだった。

将棋のトップクラスまで登りつめただけあって、やはりどの言葉も重く説得力がある。

もし羽生棋士がトレーダーという道を選んでも必ずや成功しただろうという凄みを感じさせる。

ありきたりな投資本を読むよりはるかに刺激になる。

彼は頭が抜群にキレるだけでなく、その棋風も積極的にリスクを取っていくスタイルで、まさに生粋の勝負師なのであった。
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[ 2013/08/02 15:20 ] 書籍 | TB(0) | CM(0)
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