ロスカット あの日の涙 虹となる

FXにおけるメンタルの強化とは

優れたピッチャーの定義はなんだろう。


160キロの剛速球を投げることができるピッチャーか。


奪三振率の高いピッチャーか。


最近ではセイバーメトリクスというデータを統計学的見地から客観的に分析し、選手の評価を決めるやり方があるが、一流ピッチャーになる人は例外なくメンタルが強いといわれる。


かって野村監督は優れたピッチャーは修正力のあるピッチャーといったが、ピンチにおいても動じない冷静さが勝負の分かれ目になる。


会心のピッチングをしても、味方のエラーや打線の援護がなく、勝ち星のつかない日もあるだろう。


たった一球の失投がホームランになってしまうこともある。


メンタルの弱いピッチャーはそこで心が折れて、続投できる精神状態ではなくなる。


いくら失点しても、次の打席でなんの気持ちのブレもなく同じフォームで戦い続けること。


ベテランのピッチャーになるほど、目先の勝ち星や三振の数にこだわらなくなる。


キャリアのあるトレーダーが直近の勝ち負けに一喜一憂しないのと同じだ。


優れたピッチャーとは、打者を打ち取るだけでなく、たとえ調子が悪くても悪いなりに試合を作れる技術とメンタルを兼ね備えているといえる。


たとえば一日かけてドミノを並べる。


それを自分の不注意から体に触れ、いきなりすべて崩してしまう。


それまでの努力が水の泡とかし、やるせない徒労感に襲われる。


不測の事態を平然と受け入れ、また最初からドミノを並べ直す。


その根気こそが、継続的に相場から利益を得る一番必要な要素かもしれない。


FXでは不可抗力とでもいうべきリスクがつきものだ。


ちょっとした油断が、酷い心理的ダメージをともなう損失に繋がることも珍しくない。


マーケットに予期せぬ急変動が起き、逆指値を入れておいても値が飛び、想定外の損失を被る事故が起こりうる。


証券会社に問い合せても、のらりくらりとかわされるだけで、失った利益が戻ってくるわけでもない。


そこでキレそうになる気持ちをいったんリセットし、次のチャンスを伺い1回1回の勝負を真剣に丁寧にトレードができること。


自分が最悪のケースに対応できるのだということを知っていると知らないとでは、相場に挑む際の心理的なアドバンテージが大きく異なる。


終始、順風満帆なトレーディングなどありえない。


収支は安定せず、自信が揺れながらも拙いトレードを繰り返し、なんとかプラ転で終われてホッとする。


日々それの繰り返しである。


相場で長く生き延びるためのひとつの見極めは、大きなドローダウンを食らったとき、どのような対応ができたかということが基準となる。


結果的に損をしたが、次に同じような局面がきたときにどう対処するか。


負け方を学ぶことが経験則として生きてくる。


修羅場を経験した回数が多いほど、実践的な技術が身につき、心にも余裕が生まれてくる。


痛い思いをしないとメンタルは鍛えられないのだ。
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[ 2013/06/26 17:20 ] メンタル | TB(0) | CM(0)

サバイバルゲーム

トレーディングとは技術だ。


そして、技術とは知性、Intelligence のひとつであることはいうまでもない。


知性はヒエラルキーがつきものであり、最上(クラック)はそれを体得したものにしかわからない。


ゆえにモッブ(大衆)が到達することは至難の業。


密教の考え方もこれと似た思想なのかもしれない。


技術にもヒエラルキーがある。


しかし、知性のそれとは異なる。


技術には特定の人にしかできない技術と、誰でも階段を一段一段登っていけば体得できる技術がある。


たとえば、宮本武蔵は、彼の体力と人生が剣のなかに表れる、まさに宮本武蔵しかできない我流剣法を使う。


しかし、柳生は、剣を分解し、素人でもある一定の修行を積み、階段を一段ずつ上がっていって習得できる、いわばテクノロジーを剣術に持ち込んだ柳生新陰流を編み出した。


技術を一般レベルにも理解できるように体系化したといえるだろう。


そういえば、かってリチャード・デニスという投資家も自らのトレードの技術を伝えるべくタートルズという常勝トレーダー軍団を率いていた。


トレーダーでいえば、さしずめ宮本武蔵はBNF氏か。


いくら25日移動平均線カイリ率を絡めた逆張りスイングの技を体得しても、彼のように稼げるようになるとは限らない。


凡人には到達できない我流を極めている。


若干ハナシがそれたが、武芸者が“武”を見せる一種の芸者であるように、トレーダーも“技”で生きる職人なのである。


だから、やり方さえ間違わなければある一定のところまでは習得可能なものといえる。


実際に技術をある程度習得すれば、長期間に渡って安定した利益を上げることができる。


もちろん、ハートの強さ、勝負勘、そして運も味方につけなければならないが。


新参者が気をつけなければならないことがある。


それは、トレーディング道は一歩間違えば地獄への道標、修羅の道にも通じるからだ。


武芸者が殺しの螺旋、命を懸けた戦いを経て、辣腕な武士として名を馳せていくように、トレーダーも切磋琢磨しているようでお互い殺しあっている。


投資家は利益がどこかの山とつまれたマーケットと取引しているわけではない。


おのおのが買ったり売ったりするときは常に相手のトレーダーと対峙しているのだ。


どちらがより賢い選択をしているかを競いあうゲームであり、最後にババを引いたものが莫大な資産を失うことになる。


相場巧者は、株式市場の不条理に狼狽するシロートから資金を吸い上げ、己の資産として積み上げる。


株でも為替でもマーケットは戦場だ。


自らの資産を賭けた壮絶な騙しあいといってもいい。


バフェットの投資原則、成功するセオリーはシンプルである。


「原則その一、損をしないこと。 原則その二、原則その一を消して忘れないこと」


さらに付け加える必要がある。


いささか下品な表現をあえて使えば、上手いトレードとは、ある商品(株)を安すぎる値段で売りに出している奴から買い、それをお買い得と思っている奴(バカ)に高く売りつけることなのだ。


かってジョージ・ソロスは「資本主義とは賢くない者から賢い者へお金が流れるゲームだ」と言ったが、マーケットはまさにその法則を端的に表しているといえる。


ワタシは愚か者だから、もう少しこの生き残りゲームを続けるつもりだ。

[ 2013/06/25 05:29 ] メンタル | TB(0) | CM(0)

ディフェンスを制する者がゲームを制す

2013NBAファイナルが終わった。


まさかこれほどの緊迫した展開になるとは思ってもいなかった。


あまりに劇的すぎてまるでスラムダンクの最終巻みたいだった。


NBAのプレーオフはレギュラーシーズンよりもフィジカルコンタクトが多く、「ディフェンスを徹底したチームがチャンピオンシップを制す!」とよくいわれる。


実際にラン&ガンなどの“オフェンス”が売りのチームが最後まで勝ち残るケースは少ない。


シュートの成功率で試合を命運を任せるのは、サイコロの目や、コインの裏表を占うような「賭け」でしかない。


どのチームも確実に勝つあがるために「賭け」や「運試し」に近い“オフェンス”よりも計算できる“ディフェンス”に力を入れてくる。


強豪と言われるチームは、必ずと言っていいほど屈強なディフェンス職人というべきプレイヤーを擁している。


今回もよりタフな“ディフェンス”をしたマイアミが優勝した。


勝ち残るために“ディフェンス”が重要なのはバスケットだけでなく、トレードでも同様だろう。


個人投資家にとっては、利益は少なくとも、とにかく大損しないことが大切だ。


逆指値のOCOを設定し、損失を限定することで、致命的なドローダウンを回避することがFXにおいての“ディフェンス”戦略になる。


巷で溢れているFX攻略本は、どこでエントリーするかといったオフェンス面ばかり強調されたものばかりで、ディフェンスについては、損切りをしっかりする程度にしか書かれていない。


ディフェンスとイクジットに関する記述、具体的にどこで損切りし、どこで利益確定するか、そのスキルと根拠について言及している投資本はあまりにも少ない。


エントリー後、ターゲット方向に値動きが向かわず、含み損をかかえたときどこでロスカットするか。


損切り後、その値に戻ってくることはよくあることで、非常に悩ましい問題だ。


欧米のヘッジファンド・マネージャーの多くは18%の損失が出た時点でファンドを解散させるという規定に基づいて運用を行っているときく。


あるトレーダーはあらかじめ自分の思惑と逆方向にローソク足が3本続いたときは躊躇なく損切りするというが、彼に限らず、退場しないで長くマーケットで生き残っているトレーダーは例外なくディフェンスの技術に長けている。


結局のところ、いかに損失を限定し、利を伸ばせるか。


その出口戦略こそがすべてといっても過言ではない。


たしかに損切りが何回も続くとさすがにストレスが蓄積される。


資産が1週間で倍になるような圧倒的なパフォーマンスとは無縁の世界だ。


だが、本来FXで恒常的に勝つということはそうした苦痛をともなうものであり、損切りが抵抗なくできるようになれば、それだけトレードが上達したということなのである。
[ 2013/06/22 01:43 ] ストラテジー | TB(0) | CM(0)

情報弱者の投資家から金をたかる人々

昔から金融業界には情報リテラシーの低い人々、いわゆる情報弱者をターゲットにお金を搾取する人々が存在している。


無知をいいことに手数料のバカ高い投資信託を買わされ、大損したというハナシは枚挙に暇がない。


FX業界も例外ではない。


「この手法はほぼ90%の確率で勝てます」


などという類の胡散臭い商材がネットには氾濫している。


これは少し考えればおかしいことがわかる。


それほど儲かるのであれば、なぜあえて公開するのだろう。


もし本当に高い確率で儲けられるロジックであれば、誰にも公開せず自分だけで独占するはずだ。


為替相場は基本的にゼロサムゲームであり、他人の損失が自分の利益になる。


もし安定して儲けられるロジックをマーケット参加者全員が使ったらどうなるか。


あたりまえだが全員が儲かることはありえない。


ある投資家の鉄板である手法が他の多くの投資家に知れ渡ったとき、そのロジックの優位性はマーケットで機能しなくなる可能性が高いのだ。


実際にそのような例が珍しくない。


以前、元祖億トレーダーである株之助さんが自身のトレーディングを録画したDVDを販売したことがあったが、多くのトレーダーが株の助さんと同じような手法を真似した結果、相場の地合いが変化してしまい、それまで安定して利益をだし続けていたスキャルピングが機能しなくなってしまった。


もっと大きなスケールだと、かなり過去に遡るがLTCMのケースがある。


1994年に設立されたLTCMは、ノーベル経済学賞を受けた経済学者を擁する世界有数のヘッジファンドだった。


市場で適正な価格で取引されていない割高な債券を売り割安な債券を買うのがLTCMの基本戦略であった。


設立された当初はずば抜けて高いパフォーマンスを維持していたが、やがてその運用のシステムが徐々に他のファンドに知れ渡るようになると、とたんに雲行きが怪しくなる。


1997年に発生したアジア通貨危機をきっかけに、それまで機能していたストラテジーが綻びはじめ、最終的に5000億円という巨額の負債を抱えて破綻した。


ボスであるジョン・メリウェザーは、破綻した一因としてLTCMのノウハウが市場に流出してしまったせいであるとしている。


相場において儲かるのは常に少数派であり、そのからくりを知っているトレーダーは利益の源泉である手法を他人に知られるのを恐れる。


当然、自分で苦労して編み出した手法を決して世間に公開したりしない筈だ。


「このロジックを使えば必ず儲かります」


そのような惹句で商材を販売する業者は、実際にはトレードしていないか、FXのトレーディングだけで利益を得ることを諦めてしまった人達だろう。


彼らの狙っているのは投資家の種銭であって、あなたが成功するようにと願っているわけではない。


はっきりと認識しておかなければいけないのは、他人を儲けさせたい人はいないということ。


僕の個人的な体験からすると、自分自身で痛い思いをして学習したものでないと相場の手法は身につかないと思う。


どんな商売、勉強、スポーツでもそうだと思うが、誰かに頼ろうといった他力本願な姿勢では絶対に勝てない。


頼るれるものは自分だけなのである。


投資家を「ネギを背負ったいいカモ」としてしか見ていない狡猾な商材屋に騙されてはいけない。
[ 2013/06/21 12:09 ] 雑惑 | TB(0) | CM(0)

NBAファイナル スパーズVSヒート

NBAファイナル第6戦、第4Q、残り5.2秒で3点ビハインドの絶体絶命の場面。


誰もがスパーズの勝利を確信しただろうが、ベテランのレイ・アレンが起死回生のスリーを決めて95対95とし、延長戦に持ち込んだ。


残り1.9秒には再びアレンがフリースロー2本をきっちりきめて3点リードで僅差の勝利。


最後まで先の展開が読めないハラハラドキドキの攻防だった。


獅子奮迅の活躍で敗退の危機を救ったレブロン・ジェームスのコメント。


「立ち入り禁止のテープなど、(スパーズの)優勝セレモニーの準備をしているのが俺たちには見えていた。勝負は最後まで分からない。だからこそ試合終了のブザーがなるまでプレーする。俺たちは今日それを、実践した。今までやってきたこと以上のものを、全てこの試合にぶつけた」


これまで出場した試合の中で、間違いなく一番の試合だったという。


本当に勝負は最後までわからない。


人生のすべて、全身全霊を賭けてプレーするエースの姿に痺れたよ。


僕は彼のように情熱を持ってマーケットに挑んでいるだろうかと考えされられた。
[ 2013/06/19 19:40 ] 雑惑 | TB(0) | CM(0)

修羅の世界へようこそ

2013年、安倍政権の発足をきっかけに株価は騰がり、為替は大幅な円安に振れた。

若干の調整があったといえ、リーマンショック後長らく続いた円高トレンドが終焉を迎えつつある。


「私もFXをやってみようかな」


僕がFXの専業トレーダーであることから、そんな相談を受けることもある。


「いや、やめたほうがいいよ」


僕は即答する。


理由は明白。


FXは初心者が安易に手をだすと火傷する危険な金融商品だからだ。


もし、「FXなんて楽勝だよ」などと吹聴する輩がいたら、おそらく彼は詐欺師か、あなたにバカ高い商材を買わせようとしている業者に違いない。


書店の投資コーナーには「FXで月100万、主婦でも稼げる!」などと投資家の射幸心を煽るような惹句をつけた書籍が積み上げられている。


しかし、そんな甘い口車に乗ってはいけない。


ほんの少し本を読んだだけで、すぐに儲けられたらどれほど楽だろう。


ほどなくして、現実は甘くはないと多くのトレーダーが気付かされる。


たいした準備を整えずにマーケットの世界に飛びこめば、バカ高い授業料を支払ったあげく、回収することなく退場を余儀なくされる。


虎の子の大切な資金を増やすつもりが、逆に失ってしまい精神的な苦痛を味わうといったケースが枚挙に遑がない。


そして、数年前の僕のように、「FXなどに手を出さなければよかった!」と後悔する羽目になる。


誤解を恐れずにいえばFXは投機そのものであり、パチスロやカジノと同じようなギャンブルだ。


為替がどちらかに振れるかを予測しで賭けるマネーゲームにすぎない。


企業の成長を促し、経済を成長させることにもつながる株や債権と異なり、FXは付加価値を生まない通貨の交換をしているだけの作業で、他人の損が自分の利益になる非情な「ゼロサムゲーム」でもある。


為替の世界では、初心者もプロも関係ない。


はじめたばかりのビギナーだろうが、いきなりウォール街の百戦錬磨のディーラーと同じ土俵で戦うことになる。


彼らは一切の手加減はしない。


そして、スキルのない人から情け容赦なく金を奪い取っていく。


日本人で利益をあげている人は全体の10%にも満たないといわれるが、長期で稼げている人となるとさらに少ないかもしれない。


僕がFX投資を決して他人に奨めない理由がおわかりいただけただろうか。


とはいえ、この世界でもパチスロのプロと同じように、コンスタントに多大な利益を得ている少数派の人たちがいる。


勝ち組の人たちのセオリーはシンプルだ。


規律を守り、負けて、頭に血が上ったり、愚かな行為をしなければ、勝ちに乗じること、負けを最小限にすることができる。


将棋や囲碁、麻雀などのゲームに必勝法がないように、FXにも必ず勝つという手法はない。


そもそもFXにおいては手法は重要ではないのだ。


相場経験の長いベテラントレーダーであれば、僕の意見に少なからず同意してくれるだろう。


FXのトレーディングに重要な要素は主にこの3つであると考える。



●期待値


●資金管理


●メンタル



FXは必ずしも知性の優れた人が勝つとは限らない。


おそらく平均以下であろう僕が相場で生き延びていることがなによりの証拠だ。


トレーディングとは知能指数160の人間が130の人間を倒すゲームではない。


成功するにはセンスや運の要素も否定できないが、それ以上に重要なのは「尋常ではない努力を長期にわたって持続できること」なのだと思う。


僕がこの過酷な世界において10年以上生き延びているのは、諦めずにやり続けたからだ。


現在の日本は努力が報われない社会だ、といわれる。


いくら死ぬ気で働いても、アルバイトの時給は固定だし、会社の給料も飛び抜けて上がるわけでない。


しかし、相場の世界は無限の可能性がある。


僕のまわりでは今回のアベノミクス相場で10億、20億と儲けている猛者トレーダーが続出している。


終身雇用制度が崩壊し、今後ますます富める者と貧しい者の差が広がっていくと予測する経済学者が少なくない。


自分の時間と労力、才能を、何につぎこんだらいいのかを真剣に検討しなければ、過酷な労働条件にみあわない安い給料で働かされることになる。


僕はFXや株を必ずしも他人に奨めないけど、これからの時代はリスクをとらないことが最大のリスクになっていく気がしてならない。


真剣に相場と対峙し、日々研鑽を積む。


そうした習慣が持続できれば、混沌とした社会でのゲリラ戦を生き延びるために「トレーディングの技術」は大きな武器になりうる。
[ 2013/06/17 11:33 ] 教訓 | TB(0) | CM(0)
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