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ロスカット あの日の涙 虹となる

時間は存在しない

イタリア生まれの物理学者による最先端の量子重力理論の解説本。

35か国で刊行されている世界的なベストセラー本でもある。

難解な内容かと思いきや、数学の公式が網羅されているわけでもなく、我々のような一般人でも読めるようにわかりやすく噛み砕いている。

いかんせん物理の基礎知識が決定的に不足しているので理解できないところが多々あったが、ページをめくるごとに、しばし途方もない思考の領域へとトリップさせられた。

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我々が、日々の生活から直感的に理解可能な世界は限られている。

「そもそも『今』という概念が存在するというのは幻想で、自分たちの経験を独断で押し広げた推定でしかない」と著者は述べる。

いわゆる人が感じる常識的な時間の概念というものは、アインシュタインの相対性理論と量子力学によって否定されてきた。

相対性理論によれば、時間の流れは重力の干渉によって伸び縮みするゴムのように変化し、必ずしも普遍的な尺度ではないということ。

「なぜ私たちはこれほど強く時間が流れているという感覚を持つのか」という疑問に対しての答えは、「人間の脳は過去の記憶を集め、それを使って絶えず未来を予測しようとする仕組みを持っているから」だという。

要するに、現在の最先端の量子重力理論の示す世界観を人間の日常的な感覚で理解するのは難しいということか。

ところどころにイタリア人っぽいユーモアのエッセンスが散りばめられ、尚且つ想像もつかないほどの壮大な世界の片鱗に触れられる。

それを考えると2000円ちょっとという値段はかなりお買い得と言えるかも知れない。
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[ 2019/12/18 14:13 ] 書籍 | TB(0) | CM(0)

表紙に著者の顔写真が載ってる本

本を選ぶときの一つの指標として、某SNSにこんなコメントをしている人がいた。

「表紙に著者の顔写真が載ってる本には手を出さない」

たしかに、著者の写真が出ている本は、自己啓発、財テク、タレント本などに多く、どちらかというと普段本を読まない層をターゲットにしている気がする。

要するに出版社側からしたら売れればOKという感じで、本の中身はスカスカという場合が多い。

週刊誌やTVのように、大衆に消費されることを前提に売られており、何度も読み返すような内容が書いていることは稀だ。

だから、一時的にベストセラーになるものの、数年後にブックオフのような中古書店に100円で売られたりする。

今、書店で山積みになっている本はほぼ90%がその手の類で、立ち読みはするものの、わざわざ買って家でじっくり読もうという気にならない。

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これは投資関係の本でも同じで、自称カリスマトレーダーの著者が腕組みをする写真が載っているような表紙のものは、最初のスクリーニングの段階で避けた方が賢明だろう。

個人的には、ためになる投資本ってのは、適度に分厚く、表紙のデザインがいささか地味という特徴があるように思う。

そして、本の帯に「○○したら儲かります!」と言ったような投資家の射幸心を煽るようなことは間違っていても書いてない。

優れた投資本は、著者のトレーダーとしての矜持によって執筆されており、読者に媚びておらず、むしろ読者を選ぶのだ。
[ 2019/12/17 14:25 ] 書籍 | TB(0) | CM(0)

Yen SPA!

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久々に「Yen SPA!」を買ってみる。

オレ的ゲーム速報JINさんなど最近のネット界隈で有名なトレーダーさんの特集。

10年前まで投資雑誌などで取り上げられていた著名なFXトレーダーさんは一部の人を除いてすべて消えてしまった。

「一夜成金一夜乞食」という格言があるが、一時的に巨万の富を得ても最後まで勝ちきった人はごく僅か。

今、ツイッターで多くのフォロワーを集めている億り人トレーダーでも、10年後はどうなっているかわからない。

とくに先週のような激しく動く相場で一夜にして成金になるような張り方をしているトレーダーは、レバレッジをかけて乾坤一擲の勝負をするわけだから、そうした行為を繰り返すうちにいつか大負けをする確率が高い。

栄枯盛衰が激しい世界に身を置いている者として、厳しい現実だけが心に突き刺さる。

それにしても過去に何億と資産を稼いでいたトレーダーさん達は今は何をしているのだろうか。
[ 2019/12/15 12:20 ] 書籍 | TB(0) | CM(0)

株式ディーラーのぶっちゃけ話

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筆者は現役の証券ディーラーであり、実際に株式ディーラーがどのような環境で取引しているかがわかる興味深いエピソードがいくつか紹介されている。

個人投資家に比べてディーラーの環境が優れている点は、金融商品のプロとしての情報量、資金力の多さ、社会的な信用があること、損失が発生しても自分の懐が痛まないことなどがあげられる。

しかし、意外だったのは、キャリアのあるディーラーが個人投資家に憧れを抱いているといういうこと。

筆者は、『仕事を続けるほどに、投資家としての最高の境地が個人投資家である』と素直に告白している。

BNF氏やCIS氏などのカリスマトレーダーも取り上げており、これから投資を始めようという初心者からベテラントレーダーまで楽しめる内容だと思う。
[ 2019/11/29 10:00 ] 書籍 | TB(0) | CM(0)

PRINCIPLES 人生と仕事の原則

世界最大のヘッジファンドを率いる投資家のレイ・ダリオ氏の初めての著作。

もともとブリッジウォーターの社員へ向けて書かれたものだそうだ。

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人生はゲームで、そこで出会う問題は難解なパズルにも似ている。

別の表現をすれば、人生は舞台であり、どのようなシナリオで、何を演じるかは本人次第である。

何を演じたいのか?そのために現実の複雑な世界を理解し、どのように行動するか?

そして他人、取り巻く環境とどのように接するか?

彼は人生に降りかかる様々な出来事に翻弄されないためにいくつかの原則に従うことを勧めており、本書はそれをまとめたセオリー集となっている。

自身の半生と成功の原動力となった人生論はためになる部分も多いが、同じような内容が繰り返し述べられていて、若干しつこい印象も受ける。

もう少し削ぎ落とされていればもっと読みやすいと感じたが、それでも近年稀にみる良質な投資指南書であることには違いない。

何度も再読する価値のある書籍だと思う。
[ 2019/09/29 16:01 ] 書籍 | TB(0) | CM(0)

失敗の科学

ここ近年、ネットでの評価が高い本。

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本書で紹介されているのが、いわゆる「マージナルゲイン思考」というもの。

これは2012年にイギリス人初のツール・ド・フランス総合優勝者を生んだ「チーム・スカイ」のゼネラルマネジャー、デイブ・ブレイルスフォードがスポーツ界に広めた考え方である。

「1%の戦略」とも呼ばれるこの考え方は、選手の回復方法やマシンの部品に到るまであらゆる点で小さな改善を積み重ねていくもので、もちろん手当たり次第に改善していくのではなく、1つの大きな目標を達成するために100個、1000個の小さな改善を積み重ねるというイメージ。

物事をよりよく行うためには反証=ミスが必要で、マージナルゲイン思考においては、まさに失敗は成功のもととなる。

他にも、F1レース、デビッド・ベッカム、大食いコンテストで優勝した小林尊といった具体的な事例としていくつかのストーリーが紹介されていて、なるほどと思う箇所もあり、退屈せずに読めた。

人は自分の信じたいこと、見たいものだけを信じる傾向がある。

自分の過ちを認めず、事実の解釈を曲解する。

これが認知的不協和であり、失敗から学ぶためには、目の前に見えていないデータも含めた全てのデータを考慮に入れなければならない。

本書で言及されているいくつかの事象は、トレーディングの現場でも応用できるだろう。
[ 2019/07/31 11:04 ] 書籍 | TB(0) | CM(0)

誰もが嘘をついている ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性

英エコノミスト紙2017年ベストブックオブザイヤーに輝いた世界的ベストセラー。

日本のアマゾンの書評でも高評価を得ている。

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著者はグーグルのデータサイエンティストや大学の客員講師などを勤めてきた人物。

最近注目されているビックデータを活用した調査から、過去に当たり前とおもわれていた「常識」や「俗説」がまったく根拠のないものだった例を紹介している。

これはトレ-ディングにおけるテクニカル分析にも当てはまりそうだ。

機能していると思っていたテクニカル分析をエクセルなどで検証してみると、単なる本人の錯覚にすぎなかったというケ-スはよくある。

著者は読者の興味をひきつけるために面白いエピソードをいくつも取り上げているが、基本的なスタンスとしては、データ分析によって世界はより良くなると楽観的に考えているようだ。
[ 2019/05/31 15:33 ] 書籍 | TB(0) | CM(0)

最強のFX 15分足デイトレード

億り人トレーダーのぶせなさんの新書。

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ぶせなさんと言えば、1分足チャートの逆張りトレードで利益を得ていたと記憶しているが、本書は正統派の順張りトレードを推奨している。

FXでも株でも逆張りトレーダーは長生きできないと言われる。

年齢を重ね、資金が大きくなるにつれて、スキャからスイングトレードに変化していくのはよくあるパターンだが、最近のぶせなさんもご多分に漏れずスタイルを変化させてきているようだ。

具体的な手法は、3本の移動平均線を使用したブレイクアウト狙いの順張りで、トレードの王道というべきものだ。

最初の本で紹介していた1分足の逆張りトレードは、いささかマニアックで職人的なスキルが求められる手法だった。

トレード初心者の人にとってはこちらの本の方が数段わかりやすく、利益を出しやすいかもしれない。
[ 2019/05/24 06:22 ] 書籍 | TB(0) | CM(0)

将棋の子

将棋の本を多く手がけている大崎善生氏の奨励会を題材としたノンフィクション作品。

奨励会に入ったが四段まで進めなかった人々、つまりプロ棋士になれなかった青年達のその後の人生を描いている。

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どの競技でも、その分野における知識や技術が人並み以上に卓越していれば、ある程度はその道のプロとして食べていくことができる。

だが、プロの将棋棋士になるためのハードルはとてつもなく高い。

必ず奨励会に入会し、26歳まで四段にまで上がらなければ退会しなければならないという厳しい年齢制限がある。

小学生で神童と呼ばれ、周りの大人にチヤホヤされた天才少年も、奨励会に入ればただの人になる。

自分より年下の子供に手もなく捻られ、そこで初めて自分が天才でもなんでもなく将棋棋士を目指すごく普通の人間だと悟る。

プロ棋士になることを疑わず青春時代のすべてを将棋に注いできた人間にとって、夢を諦めることの辛さや挫折感は体験した本人にしかわからないだろう。

奨励会では誰もが1日平均10時間ぐらい将棋の盤と向き合っているという。

その厳しさはFXや株などの投資の世界とは比較にならない。

たいした才能がなくても専業トレーダーとして飯を食っていけるのだから。

もっと精進しなければと痛感させられる。
[ 2019/05/21 10:44 ] 書籍 | TB(0) | CM(0)

オ-ル・イン

かって神童と呼ばれた将棋棋士、天野貴元の自伝。

16歳で三段に昇格し、奨励会で19期戦ったが昇格は叶わず、2012年3月に年齢制限で退会。

その後はアマチュアとして将棋の普及に尽力する道を選ぶも、癌に侵され、30歳という若さで亡くなった。

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プロ将棋棋士の数はだいたい170人から160人ぐらいとされる。

プロ育成機関として知られる奨励会は、いわば全国から天才少年達が集まる異能集団であり、そこで生き残る厳しさは相場で食べていくのとは比較にならない。

タイトルである「オール・イン」とは、カジノ用語で全財産の全てを賭けて勝負すること。

著者は自分の人生の全てを将棋に賭けたからこそ、このタイトルをつけたのだろう。

よくある投資必勝法の本なんか読むよりも、100倍ぐらいタメになる。
[ 2019/05/16 21:58 ] 書籍 | TB(0) | CM(0)
プロフィール

ジョンメリ

Author:ジョンメリ
こんにちわ。ジョンメリと申します。HNはLTCMのジョン・メリウェザーから頂戴しました。トレーダー歴約20年。2006年までは南ア通貨をスワップ金利目的で高レバレッジで運用。しばらく右肩上がりの相場が続き、わが世の春を謳歌していました。が、2007年8月17日にサブプライムローンに端を発する大暴落に遭遇。2008年はベアー・スターンズ破綻ショックの下落で多大な損失を被り、マーケットから退場せざるを得ませんでした。精神的なダメージから一時は真剣に引退も考えましたが、ここにきてようやく傷も癒えました。現在はデイトレに手法を変え、再び外国為替取引に挑戦しています。

賢者のつぶやき