ロスカット あの日の涙 虹となる

ラルフ・ビンズの実験に学ぶ 生き残るためのポジションサイズ・マネジメント

誤解を恐れずに言えば、FXは未来の為替レートを予測するギャンブル的な側面を持ったゲームである。

ゲームで勝つ為には、期待値がプラスになる戦略が必要になる。

ただし、どんなエッジがある手法であったとしても、1回で勝負するポジションサイズが資金に対して大きすぎると、想定外のドローダウンを食らったときに再起不能になる。

トレードにおいて、一度に口座の全金額を賭けるようなイチかバチかのホームランを狙うということは、一撃で退場してしまうリスクと常に隣り合わせになる。

ネットなどで販売している商材などには、トレード手法の優劣が勝敗を左右するかのような記述で占められているが、最も重要なのは1回のトレードでどれだけのリスクを取ればいいのかというポジションサイズ・マネジメントだ。

数学者のラルフ・ビンズは、博士号を持つ40人を対象に以下のような条件で実験を行った。


 条件1. 勝つ確率が60%のコンピュータゲームを100回してもらう。

 条件2. 40人の参加者それぞれに、手持ちの資金は1000ドルで始める。

 条件3. 毎回好きなだけ賭けてよい。

 条件4. 勝つと賭けた資金が2倍になり、負けると賭けた資金が没収される。


 
実験の結果、最終的に元の1000ドルより増えたのは40人中、たったの2人だけだったそうだ。

勝つ確率は60%なので、期待値はプラスのはずである。

つまり、ゲームを繰り返すほどプレーヤーは儲かるはずなのだが、実際には95%の人がマイナスになってしまったのだ。

たとえ期待値がプラスのゲームでも、1回あたりの掛け金の額が適切でないと、損をする確率が高くなる。

実のところ、適切なポジションサイズ・マネジメントというものは、プレイヤーがどの程度のドローダウンを許容するかによって変わるもので、これが正解だという数値は存在しない。

期待する利益と許容可能なドローダウンの適切なバランスポイントは、スキャルピングやスイングトレードなど、個々のトレードスタイルによって異なってくる。

期待値がプラスのゲームでは、当然リスクを取ったほうが大きな利益が期待できるが、それと同時に運による損益の幅も増幅する。

ラルフ・ビンズの行った実験の結果が示すように、リスクの取りすぎは退場する危険度が高まる。

逆にリスクを取るのを恐れすぎると、ドローダウンに遭遇する確率は低くなり、成績は安定するが、いつまでたってもお金が増えないという事態になりかねない。

ある一定の期間でどれだけのお金を増やすのかという目標を掲げ、なおかつ連敗したときにマーケットから退場しないためにも、最初にどれだけのリスクを取るのかという厳格なルールを決めておかなくてはいけない。

仮に100万円の口座で1回のトレードあたりのリスクが10万円、つまり10%のリスクをとっていたら、10連敗した時点で退場である。

10連敗なんてありえないというのは、根拠のない慢心でしかない。

たとえば、「1回のトレードの最大リスクは資金の2%」と決めたとする。

100万円でトレードしているのなら、2万円の損失が発生した時点で損切りだ。

資金が100万円の人の場合、2%ルールで損切りすると、1回目の損切り後の資金が98万円になる。

次も負けた場合、98×0.02=1.96万円の損失となり、10回連続で負けたとしても81.7万円の資金が残る。

これだと50連敗しない限り、マーケットから退場することはない。

損失が資金の2%に達したら損切りするというルールは、「 投資苑 」や、「利食いと損切りのテクニック」などの著書でも有名な、アレキサンダー・エルダー博士が提唱している資金管理法である。

それではあまりにも保守的なトレードになってしまい一度に大きく儲けられないと考える人もいるかもしれないが、トレードに慣れない最初のうちは儲けることよりもまず生き残ることを最優先に考えなければならない。

もちろん敏腕トレーダーのなかには、資金の10%以上のリスクを取っている人も少なくない。

どこまで損失を許容するのかというルールは人それぞれだが、ビギナーであれば、まずは2%ルールに従って損切りしていくのが無難だろう。

FXで勝つためには、心理的にいかに楽な状態でトレードできるかが重要になる。

あらかじめ許容できる損失リスクを決めておけば、プレッシャーも軽減され、大きな波に襲われたときも動揺せずに落ち着いて対処できるはずだ。
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[ 2016/07/19 02:36 ] 資金管理 | TB(0) | CM(0)

バリュー・アット・リスク

VaRとは、"Value at Risk(バリュー・アット・リスク)"の略であり、1990年代にアメリカで開発されたリスク測定の手法である。

基本的な考え方は、過去の観測期間中の値動きの変動パターンが、将来も同じ確率で起きると仮定し、株価、金利、為替レートなどを確率分布に置き換えるというものだ。

一定期間ポジションを保有し続けた場合、失う可能性のある最大金額はいくらなのかをVaRの計算式によって導き出す。

たとえば、「保有期間1年に対してVaRは15万円である」という結果が得られた場合、それは「今後1年間の損失は最大でも15万円以内に収まる可能性がある」という意味になる。

VaRは、相場の変動が正規分布に従って動くという仮説を前提としている。

実際にレートは正規分布の枠内で推移することが多いが、厳密には僅かな確率で正規分布で想定されるよりも大きな変動が起きることがある。

これをファットテールと呼び、いわゆる「まさか」という事態がこれに当たる。

ブラックマンデーは一日で22%の下落率を記録したが、まさにファットテールに該当する出来事だった。

VaRの計算上では22%の下落率は数億年に1回の割合でしかおこらないとされていたからだ。

その後もギリシャショックとかリーマンショックとか似たような暴落がここ20年のうちに何回も起きている。

ファットテールのような想定外の出来事は、数億年に1回の割合どころか数年に1回の割合で起きているのだ。

つまり、通常の市場環境の下で成立する静的VaRモデルなど、混乱した市場の中ではまったく無力ということが証明されてしまったわけだ。

1998年9月に起きた米ヘッジファンド大手LTCMの破綻は、同社のVaRモデルが機能しなかったことが原因とされる。

金融デリバティブの専門家であり、ベストセラー「ブラック・スワン」の著者であるナシム・ニコラス・タレブは、市場の気まぐれな動きは物理学の手に負えるものではなく、正規分布などまったく役にたたないと主張している。

トレーダーは過去のヒストリカルシミュレーションに従って無意識のうちにポジションを取るが、そうした経験則をもとにした取引はいつか必ず通用しなくなる日が来ることを肝に銘じておかないといけないのだろう。

これは相場だけでなく、地震などの災害や交通事故のようなトラブルに遭遇する確率を正確に予測することができないことと似ている。

「そもそも未来において起こりうることとそうでないことを数理モデルを使って予測できるとする方が間違っている」とタレブは述べる。

人生には「まさか」という事態が本人が想定している以上に頻繁に起こりうるのだ。
[ 2016/05/04 20:20 ] 資金管理 | TB(0) | CM(0)

トレードで儲けるコツはとにかく大損しないこと

お金を儲けるためには、まずお金を失わないことだ。

誰もがトレードで大きく儲けることを夢見る。

しかし、利益を失いそうなときにまっさきに何をしなければならないのかを学ばないとせっかく稼いだお金を失ってしまう。

その結果、いつまでたっても資金を増やすことができない。

当然のことながら、トレードは毎回勝つことはできない。

勝ったり負けたりを繰り返して、少しずつ利益を積み重ねていく。

トータルで勝てるようになるコツは、とにかく大損しないことだ。

1回でも大きな損失を出すと、それを取り戻すのはコツコツ稼いだ時の何倍もの労力を必要とする。

トレーディングで損することをドローダウンという。

100万から初めて40万円損をしたら、最大ドローダウンは40%ということになる。

資産を2倍、3倍と増やしたとしても、100%のドローダウンで稼いだ金額のすべてを失う。

大きなドローダウンからの回復は困難を極め、精神的にもキツい。

その為に資金管理が極めて重要になる。

FXを始めたばかりの初心者は10%の損失を出せば、次に資産の10%の利益を出せば元に戻ると考えがちだが、それは正しくない。

10%の損失を取り戻すには、残りの純資産でさらに11.11%の利益を出す必要があるのだ。

損失が増えるにしたがって、それを取り戻すのに必要な利益率も加速度的に増えていく。

例えば、50%の損失をだせば、元の金額まで戻すには100%のリターンが必要になる。

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この関係は↑の図に示されている。

ハイリターンを狙って多大なリスクを取ると、当然ドローダウンする確率も高まる。

利益を得るためにはどれだけのリスクがあるのかその見極めが大切になってくる。

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↑の図は損失を取り戻すための利益率を示したグラフである。

これを見ると、いかに損失から元通りの資金に戻すのが大変かがわかる。

勝率5割で利益率と損益率が同じなら、トレードをする度に資金は減ってしまうのだ。

100万円の元本で50%の利益が出れば150万円になる。

しかし、その後に50%負ければ、75万になってしまう。

FXや株などの投資で資産を増やしていくには、損失と利益の非対称性を理解しておく必要がある。

トレーディングにおいては利益率と損失率は平等ではなく、勝率50%でリスクリワード比も同じだったら資金はどんどん減ってしまう。

いかに損失を減らし利益を伸ばすかが資金を増やすカギとなる。

トレーダー最大の敵であるドローダウンを回避するには、傷が大きくならないうちに逃げてしまうことにつきる。

長期的なスパンで勝つ為には、まずは上手い逃げ方をマスターしなければならないのだ。
[ 2016/04/01 08:38 ] 資金管理 | TB(0) | CM(0)

マーケットから退場しない為に

ウォール街では、持ち金のすべてを失い破産することを「ブローイング・アップ」という。

莫大な資産を築いた経験豊かなトレーダーでも、マネーマネジメントプランの計算ミスからほんの何日かの取引ですべてを失うことが起こりうる。

それは全米屈指の大学を卒業し極めて高いIQを持つクオンツを擁したヘッジファンドといえども例外ではない。

トレーダーが最も慎重にくだすべき判断は、相場の方向性を予想することではなく、リスクのある取引にどれだけの資金をつぎこむかだ。

どれだけ大きな儲けが得られる可能性があっても、虎の子の資金を相場につぎ込むようなことは絶対にやってはならない。

トレードは「勝つこと」以前にまず「生き延びる」ことが大切だ。

口座の資金の大半を失って後で追加の資金を入れているという経験を持つ人も多いだろう。

トレーダー仲間のあいだでは、入金投資法と呼ばれるものがあるが、資金管理のノウハウを学習しないままFXを始めると、破産するたびに入金するという入金投資法を繰り返すことになる。

恥ずかしながら、ボクも最初の頃は何度も口座を破産させ、そのたびに資金を入れていた。

入金してはお金を失うという負のスパイラルにハマらないよう最初に資金管理の大切さをしっかり学んでおくことだ。

マーケットから退場しないためには、手持ちの資金量に応じた損失許容額をあらかじめ決めておかなければならない。

デイトレードだったら、一日にどれだけの損失にとどめておくか最初から計算しておくのだ。

その損失額を超えたら、その日はもう一切トレードをしないと決めておく。

そうすれば、一日ですべての資金を失うといった一発退場という最悪の事態は避けられる。

例えば300万円の資金があるとして、それを12カ月に分けると1ヶ月に25万になる。

それをさらに4週に分けると1週間で6万2千5百円になる。

さらにそれを5日間に分けると1万2千5百円になる。

つまり、一日の最大損失額を1万2千5百円に設定する。

この1万2千5百円の損失を超えないようにトレードすれば、スプレッドなどのコストを省略するとしても、少なくとも1年間は相場で生き残れるということだ。

300万を証拠金として口座に預けておけば、レバレッジ25倍で取引するとして7500万円相当までの取引ができる。

ドル円が120円であれば、62万5千ドル相当の取引が可能だ。

しかし、レバレッジを最大に利かせて62万ドルもの枚数を一度に持ては、1銭動くと6千2百円、10銭動けば6万2千円、およそ20銭程度動いただけでその日の損失許容額を超えてしまう。

仮に10万ドルで取引すれば、1銭動けば1000円なので、1円以上思惑と反対方向に動いたとすると10万円の損失になる。

1万ドルで取引すれば、1円動いたとしても1万円の損失ですむ。

1万ドルを取引する場合は、1ドル120円で、レバ25倍であれば、「120×1万÷25=4万8千円」の証拠金が必要になる。

最初から大きな量で取引するのではなく、ある程度感覚が慣れるまで1万ドルで取引するのがベターだろう。

しばらくして慣れてきたら、徐々に一日の取引量を上げていけばよいのだ。

もちろんこれはあくまでも一例であって、かなり保守的なトレードプランといえる。

損失許容額や損切り幅はトレードスタイルによって異なり、人それぞれ自分に合ったやり方がある。

最初のうちは誰でも大きく稼ぐとはりきっている。

だが、短期間で大きく稼ごうと思うと当然リスク管理がおろそかになる。

熱くなりすぎると見境なくポジションを持つようになり、衝動に任せたイージーなミスが多くなる。

1ヶ月コツコツと稼いできた大切な資金があっというまに口座から消えてなくなるケースは珍しくない。

トレーディングは今日頑張ったから、明日から急に上手くなるというものではない。

なかなか思うように口座の資金が増えていかないと焦るのが一番よくない。

資産曲線の上昇のカーブが急激にあがるのは明らかにリスクの取り過ぎである場合が多く、どこかで派手なドローダウンに遭遇する可能性が高い。

いずれにしても、自分の決めた損失許容額を上回った場合は必ずロスカットするというのが、相場で生き残る為の原則になる。
[ 2016/02/21 04:09 ] 資金管理 | TB(0) | CM(0)

2%ルールの落とし穴

トレーディングは確率のゲームであり、どのような手法であっても勝ち続けることもあれば負け続けることもある。

したがってこのマネーゲームから退場しないためには、連敗を覚悟の上であらかじめ適切なマネーマネジメントプランを構築しなければならない。

しかし、ときと場合によっては戦略を変更する柔軟性を持つことが必要になってくる。

多くのトレードの教科書には、1回のトレードで取るリスクは総資産の2%以下にしたほうがいいと書かれてある。

たとえば、FXの口座に100万円が入っていて、ドル円のポジションを1万通貨で5枚持ったとする。

100万円の2%は2万になる。

一度に負けていい金額は2万までなので、逆方向に40銭動いた場合は損切りすることになる。

このトレードで負けてしまうと、口座に残された金額は98万円なので、次にリスクを取れる金額は1万8千円になる。

同じように5枚でトレードしようと思えば、36銭で損切りという計算になる。

このように2%ルールを忠実に守って運用すると、どうしてもリスクリワード比の変更をしなくてはならず、かえってややこしくなる。

実際にトレーディングをしていくうえで必ずしも2%ルールに拘る必要はないだろう。

2%ルールはたとえ20連敗、30連敗しても資金が枯渇することはないという最悪のケースを前提にした資金管理の手法であるが、そこまで連続で負けるということはまずありえない。

せいぜい5連敗するぐらいで、10連敗する可能性は年間を通してもほぼセロに近いといっていい。

2%ルールはかなり保守的なルールであり、徐々に経験を積んでいけば総資産の5%ぐらいまではリスクをとっても大丈夫なように感じる。

それよりも相場の状況に合わせて取るべきリスクを臨機応変に変えていくことがより重要であると同時にトレーディングの大きな醍醐味だと思っている。

たとえば雇用統計発表時のようなボラティリティの高い局面では、1回のトレ-ドにおけるリスクをできるだけ小さくする。

具体的には普段より取引する枚数を減らし、損切り幅も広めにとっておく。

逆に東京時間の比較的狭い値幅で動くレンジ相場では、リスクの許容範囲を大きくし損切り幅もタイトに設定しておく。

取るべきリスクを総資産の2%と限定してしまうのではなく、相場の変化に応じてケースバイケースで対応していくことこそがシステムトレードではできない裁量トレードの大きなアドバンテージになる。
[ 2015/11/06 19:15 ] 資金管理 | TB(0) | CM(0)

単利運用と複利運用の比較

トレードによって得た利益を再投資せずに元本を固定して運用する「単利運用」と、投資効率を最大限に生かすために利益を再投資して運用する「複利投資」では、どちらがいいかということは昔から議論されてきた問題だ。

どちらもそれぞれメリットとデメリットがあり、投資する商品によっては複利効果を使うと失敗しやすくなるケースもあることを知っておきたい。

もちろん資金効率だけを考えれば、単利より複利で運用したほうが利回りがいいのは明白だ。

ただし、それには条件があり、常に一定の収益が得られた場合に限られる。

すべてのトレードで勝つことはとうてい不可能で、勝率は保証されたものではない。

仮に50%の勝率で100万円の資金を10回取引した際の、単利と複利の運用結果を比較してみよう。

単純に5回勝って、5回負けさせるという条件で、一回ごとの取引は±10%で統一した場合、最終的に残る資金はどちらの方が多いのか。


          ・単利の場合    ・複利の場合
 
 1 回目 (勝)  110万円      110万円
 
 2 回目 (勝)  120万円      121万円

 3 回目 (勝)  130万円      133万円

 4 回目 (勝)  140万円      161万円

 5 回目 (勝)  150万円      177万円
 

 6 回目 (負)  140万円      159万円

 7 回目 (負)  130万円      143万円

 8 回目 (負)  120万円      116万円

 9 回目 (負)  110万円      104万円

10 回目 (負)  100万円       094万円



勝率50%で単純計算すると、最終的に残る資金は複利よりも単利の方が多いという意外な結果がでている。

複利での運用は安定して利益が発生しているときは爆発的な加速力で資産が増えていくが、損益が50%の確率では、なんと単利の運用に比べパフォーマンスが落ちてしまうのだ。

毎年の金利が確定されているような保険などの投資商品であれば、複利の運用が有利なのは間違いない。

しかし、勝ったり負けたりを繰り返す、FXのようなギャンブル性の高い金融商品では、複利は諸刃の剣として機能する。

複利効果の最大の弊害は、常に全資産をリスクにさらしているために、大きな価格変動が起こった場合、想定外のドローダウンを食らう危険性があることだ。

したがって、複利と単利とでは、どちらがより安定して利益を積み重ねることができるかと考えた場合、後者のほうがリスクを軽減できるといえる。

このように完全な複利運用は資金管理を考えるうえで問題がある。

かといって単利のみでの運用は、長期的な利益の絶対額では複利の運用に比べ、かなり見劣りがするのも事実だ。

そこで、現実的な選択肢としては、「リスクをヘッジしながらの複利運用」をお奨めしたい。

たとえば100万円で運用を開始したとして、その利益を複利で増やさず100万になるまで別にストックしていく。

100万に到達した時点で、利益の半分の50万を組み入れ150万で運用していくという単利投資に複利の効果を加えていくというプランだ。

また複利で運用する代わりに、一定の目標金額に達したら、定期的に資産の一部を引き出すといった方法も考えられる。

このようなやり方で、全資産をリスクに晒すことなく、複利効果を少しずつ享受していく。

常にリカバリーできる余剰資金をキープしておくことで、心理的にもトレードの負担が軽減できる。

投資で大きく資産を増やしていくうえで、たしかに複利効果は無視できない。

しかし、何よりも重要なのは、万が一大きな津波が来た時にダムの決壊を防ぐ術をもっているかどうかだ。
[ 2015/05/27 01:03 ] 資金管理 | TB(0) | CM(0)

複利効果の限界

アルベルト・アインシュタインは『数学における最も偉大な発見は複利である』と言ったとされるが、FXのデイトレードでも複利運用は絶大な効果を発揮する。

仮に投入資金10万円で、1日の利益率を3%とし、1ヶ月を20営業日とし運用した場合、およそ18万円近くになる。

さらにFXの複利運用を続けたとする。

20営業日計算で3ヶ月後には59万円。

もし一日3%の利益率を半年間キープできたとしたら、351万円。

そして、なんと1年後には10万円が1億円以上に膨れ上がる計算になるのだ。

↓のグラフで確認していただきたい。

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このような複利効果を目のあたりにすると、簡単に億単位の資産を築けると夢見がちになってしまうが、実際にはそれほど単純ではない。

取らぬ狸の皮算用という諺があるが、複利効果を期待して日々トレードしていると、当初の計画どうりに資産がふえないことに気が付くだろう。

常に一定の収益が得られ、それを元本に加算したときのみ高い複利運用効果が得られるが、運用する資金が大きくなるにつれ、収益率が低下していく。

その大きな理由がポジションが大きくなるにつれて、約定しなかったり、注文成立のレスポンスが遅れたりすることだ。

証拠金10万円の場合、「日利3%」の利益は3,000円だ。

3,000円と言うと、1万通貨の取引では30PIPSを獲得することになる。

証拠金100万円の場合だと、「日利3%」の利益は30000円になり、1万通貨から10万通貨に取引する単位が増える。

さらに資金が増え、証拠金1000万円の場合だと、「日利3%」の利益は300000円になり、10万通貨から100万通貨に取引する単位を増やすことになるわけだが、そのあたりのサイズから思うように注文が執行されなくなる。

FX会社は複数のカバー先のレートからベストのレートを選んで配信しているのだが、それぞれのカバー先で受けられるレートはそれほど大きくない。

したがって、10万通貨単位で行ってきたトレード手法が、100万通貨で行うと10倍に増えるという計算が成り立たなくなり、複利効果も期待できなくなる。

注文するサイズが大きくなればなるほど、需給バランスから約定するレートが不利になるのである。

1万通貨で行うデイトレードと100万通貨で行うデイトレードでは、心理的なプレッシャーもさることながら、このようなハンディがあることを知っておきたい。

株では100億、200億と資産を築いているベテラントレーダーも珍しくないが、FXで個人投資家が稼ぐ額は1億円が上限だといわれるのもそのあたりの理由によるものなのである。
[ 2015/05/25 14:43 ] 資金管理 | TB(0) | CM(0)

損失と利益の非対称性とマネーマネジメント

FXや株などの投資で資産を増やしていくには、損失と利益の非対称性を理解しておく必要がある。

資金の10%の損失を被った場合、残りの資金の10%の利益を得たとしても、元の水準まで戻らない。

10%の損失を取り戻すには、残りの資金の11.11%の利益を得なくてはいけない。

損失が増えるにつれ、元の水準まで戻すための利益率は増大していく。

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↑の表を見れば、いかに失った損失から利益を取り戻すのが困難なのかがわかる。

例えば、資金の50%の損失を被った場合、最初の損益分岐点にまで回復させるには、残りの資金から100.00%の利益を得なくてはいけない。

勝率5割で利益率と損益率が同じなら、トレードをする度に資金は減ってしまうのだ。

100万円の元本で50%の利益が出れば150万円になる。

しかし、その後に50%負ければ、75万になってしまう。

たとえば複利効果によって、100万円が短期間で10倍の1000万円になったとしても、1回のドローダウンで口座残高は大きく減ってしまう危険性があることを忘れてはならない。

ビクター・二―ダ―・ホッファーやジェーシー・リバモアなど歴史上の著名な投資家でも、資金管理を怠ったために破産してしまったのである。

このようなケースを回避するためには、口座の資金のすべてを複利で運用するのではなく、単利で運用し、勝った差額分は定期的に別口座へ移動させておくのが得策だ。

マネーマネジメントのひとつの考え方として、「イーストコーストプログレッション」という手法が知られている。

勝った時、利益の半分を手元に残し、残り半分を賭け金に上乗せしていくのである。

① 1回目は、1を掛ける。勝てば、1(元手)+1(利益)=トータル2となる。

② 同じ様に2回目も、1を掛けて2連勝すると、最初の1(元手)+2(利益)=3に増える。

③ 3回目に3をすべて賭ける。

勝てば勝ち金の半分1.5をプールし、残りの1.5は、賭け金3に加えて4.5になる。

④ 以後、同様に勝ったときには約半分を手元に戻し、残りを掛け金に積み上げていき、負けるまで同じように賭けていく。

⑤ 負けたら、また最初の1から賭けていく。

連勝時に利益が引かれるので複利で運用していくのに比べると当然増え方は少なくなるが、つねにリカバーできる金額をプールしておくことで、精神的にも余裕が生まれる。

カジノゲームの攻略法として知られる「イーストコーストプログレッション」だが、FXや株などのトレーディングでもリスクヘッジの手法として応用がきくのである。
[ 2014/12/24 09:19 ] 資金管理 | TB(0) | CM(0)
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